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現代のライフスタイルに溶け込み
側に置いておきたくなるモノを - 五十崎和紙のライト、愛媛県産ヒノキのポットスタンドと砥部焼のポット、菊間瓦と愛媛県産ヒノキのテーブル、砥部焼の花器、オーガニック・リネンのタオルなど。側に置いておくと、使うほどに愛着が湧き、さらにそれが愛媛県産のものだというだけで愛おしさが増します。伝統的地場産品の固定概念を取り払い、今こそ選んで欲しい逸品ばかりです。
今回の取り組みでは、それぞれがもつ自然の素材感・風合いを生かし、砥部焼×木工、菊間瓦×大島石など異素材を組み合わせ、事業者同士がタッグを組んだ新しい視点のプロダクトも登場しました。また愛媛県産業技術研究所の協力もあり、事業者単体では不可能だったものが形に。地場産業の可能性をさらに一歩前へ進めることができました。
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五十崎社中
- 清流小田川の水を使用し、伝統的な技法で生産されている「五十崎和紙」。古くは平安時代から作られていたという五十崎和紙は、その品質の高さから書道半紙や障子紙として愛用されてきた。その伝統技術を守ろうと立ち上がったのが『五十崎社中』。時代に合わせた和紙製品の開発や繊細な文様を金箔で転写したギルディング製品を作り出し、日本のみならず世界に向けて発信している。そんな技術力を持ってしても長年実現できなかったのが、骨組みを使わずに完全な円形を作るという立体成型。今回の事業において愛媛県産業技術研究所の各センターとタッグを組むことで、完全円形のランプシェードを完成させた。
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愛媛県喜多郡内子町
https://ikazaki.jp
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LINK WOOD DESIGN
- インテリアや店舗コーディネート、弁当箱やカトラリーまで、木のぬくもりを伝えるべく木材を使い空間を創っている「LINK WOOD DESIGN」。それらの幅広いプロダクトを手がけてきた経験を生かし、今回の取り組みでは各事業者との展開を取りまとめる役割を果たした。テーブルウエアの製作にあたり「主役はあくまでお料理。お皿は着物のようにそれを引き立てる存在でないといけない」という代表・井上大輔氏。テーブルに並ぶ料理を彩るプレートとして、菊間瓦や大島石など組み合わせる素材の条件に合わせて柔軟にバランスをとりながら、商品化まで漕ぎつけた。
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愛媛県伊予郡砥部町
http://linkwooddesign.com
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かわらや菊貞
- 10代に渡り菊間瓦の技術を継承してきた『かわらや菊貞』。伝統的な瓦の製造の他に、現代の暮らしに合わせた工芸瓦作品の開発・提案にも日々取り組んでいるが、長年悩んでいたのはガスの濃度や導入する温度で決まるという、焼き上がりの色のコントロールの難しさ。それがその製品にしかない味わいのひとつにもなるが、ジレンマにもなっていた。今回は愛媛県産業技術研究所とタッグを組むことで、狙った通りの色を出すことに成功。難しかった黒、赤、深緑を表現できるようになった。その他にもテーブルウェアや表札、花器、植物用ポットなど様々なプロダクトが登場。菊間瓦がさらに一歩、身近なものに。
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愛媛県今治市
https://www.koizumi-seigawara.com
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ヨシュア工房
- 瀬戸内の海をイメージした「ヨシュアブルー」と呼ばれる、オリジナルの藍色をスプレーで吹き付けることで描きだす、繊細なグラデーションが特徴的な『ヨシュア工房』の作品。その工房としての作品だけでなく、陶芸家・竹西予州としてのチャレンジをしたのが今回の花器。ろくろを使った繊細な流線美が特徴的で、そのひとつひとつの形、大きさにこだわりぬいている。「自然に勝るものはない」と果物や野菜などの形を目指すことが多く、今回も栗のような丸みを帯びたシルエットを目指した。決して大きくはないが、数々のプロダクトの中にコーディネートされても、しっかりと個性を放つ。
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愛媛県伊予郡砥部町
https://www.joshuakoubou.jp
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木工 ノニネ
- 松山市の隣、自然豊かな東温市に工房を構える『木工 ノニネ』。使いやすさはもちろん、見た目の美しさを追求し細部にまでこだわりを散りばめた木工家具たちは、使う人の日常生活に彩を添えている。愛媛県産ヒノキを使用したポットスタンドは、思わず触れたくなるような滑らかな曲線が特徴的。表面は北欧家具で馴染み深いソープフィニッシュ加工で、白木の美しさを際立たせている。今回の取り組みで、瓦や砥部焼などのガラス以外の素材と組み合わせることになり、安定性の確保に苦労した。そこで思い切って脚を4本から3本に減らすことで、スタンドの美しさを残したままで様々な素材とのコラボを実現した。
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愛媛県東温市
Instagram@mokkou_no.ni.ne
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石真堂
- 石材加工のプロフェッショナルとして、テーブルの天板やエクステリア、雑貨などを手がける『石真堂』が、今回使用したのは愛媛県大島産の「大島石」。最高級御影石と言われるその銘石は、主に墓石やお風呂などに利用されることが多く、それ故にカジュアルなテーブルウェアとしての身近なイメージがあまりなかった。以前より自社でも、石の加工品がより身近になればと取り組んできたが、今回はサイドテーブルや表札など新しいプロダクトが登場。薄くしすぎると割れてしまう大島石を極限まで削ぎ落とし、菊間瓦と組み合わせたプレートなど、真新しい組み合わせによる可能性も模索した。
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愛媛県伊予郡砥部町
https://www.sekishindo.com
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株式会社丹後
- タオルの町、今治市で90年の歴史をもつタオル工場を継承した『株式会社丹後』。ブランドごと、商品ごとに素材選びにもこだわるのはもちろん、ゆっくりと織り上げる旧式の織機は、糸に摩擦やテンションがかかりにくいため、柔らかさや吸水性を損なうことなくタオルとなる。熟練の職人たちがゆっくりと愛情を込めて織り上げるタオルたちの、その上質な肌触りが、全国にファンをもつ所以。今回はその技術力を生かしオーガニック糸を100%使用したヘリンボーン織のリネンタオルに挑戦。薄手で吸水性が高く、リネンらしい張りがありつつ、使うほどに柔らかく馴染む風合いが楽しめる。
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愛媛県今治市
http://tango-imabari.jp
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千山窯
- 砥部焼を販売する「炎の里」の製作工房であり、砥部でも有数の規模を誇る窯元『千山窯』。一般の見学の受け入れや他の窯元の作品も積極的に取り扱うギャラリースペースを設けるなど、砥部焼文化を守り広めることに長年尽力してきた。今回の取り組みでは、千山窯の特徴のひとつとも言える大胆で力強い呉須(筆)の文様を使用せず、料理が美しく映える白くマットな釉薬を使った作品を生み出した。また砥部焼ならではの繊細な土の成形技術を生かし、菊間瓦のポットの製作にも技術を提供するなど、愛媛県の伝統産業の発展と存続に向けて、何事も惜しまない姿勢で取り組んだ。
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愛媛県伊予郡砥部町
http://tobeyaki.co.jp